健康保険証が使えなくなったら?

こんにちは。
岡山の薬剤師、高場です。

いつもの通りTwitterを眺めていたら、こんなツイートが。

医療費、と言うより医療にかける予算は国が決めています。

「診療報酬」と言うのがそれです。

ボクたち薬局薬剤師に関係する「調剤報酬」もここに含まれます。

医師や薬剤師が行うことの値段を決めているのはこれです。

この報酬の総額と内訳は、経済情勢などもふまえて2年ごとに改定されます。

そして、来年2020年はまさに改定の年。

改定が終わるとすぐに次回に向けての検討が始まるのが通例であり、毎回この時期は詰めの段階となります。

医療関係職種の各団体の思惑が交錯し、水面下で色んな工作がされているとかいないとか・・まあ、予算の大小は死活問題ですから仕方ないですね。

そう言う背景もあり、今回の市販類似薬は保険対象外に・・と言う話もこれまで何回も取り沙汰されてきました。

湿布や風邪薬、うがい薬など・・この辺りが挙げられる理由は「すでに同じようなものが市販されている」「症状が軽いものは医師を介在させる必要性に乏しい」と言ったものがあります。

色々もっともらしい理由が挙がりますが、ホントの理由はただ一つ。

「国にお金がない」

コレに尽きるのです。

確かに湿布や風邪薬はそこまで高くはありませんが、それでも色んな人にあちこちで処方されれば「チリツモ」でけっこうなお金になるはずです。

また「処方」には「診察」が必要となり、その部分にもお金がかかることになります。

大事なのはそのお金は「健康保険」でまかなわれていると言うこと。

皆さんは病院や薬局である程度のお金を支払っていると思いますが、それは全体のほんの一部に過ぎないことをご存知でしょうか?

「1割負担」とか「3割負担」と言う言葉がありますが、皆さんが負担しているのは文字通り「1割」とか「3割」になっています。

残りの「9割」とか「7割」は誰が負担しているのか・・。

そう、国です。

厳密に言えば健康保険料や税金・・元は皆さんから集めたお金です。

つまり、自分だけのお金ではなく「皆で出し合ったお金」が関係していると言うことですね。

そのお金の負担が少子高齢化や医療の高度化、薬剤の高額化など様々な理由も重なってシャレにならないくらい膨らんでいく・・これがこの国の現状です。

限られた医療費を有効活用しつつ長く続けていくためには、今のように「軽い症状で気軽に受診できる」「全てを健康保険でまかなう」体制のままではダメなのは明らかです。

このままでは、近い将来皆さんの健康保険証が使いものにならなくなる可能性すらあるのですから。

では、どうするか。

答えは簡単。

「何でもかんでも健康保険を使うのをやめる」

コレに尽きます。と言うか、これしかないですね。

今の時代、湿布や風邪薬などは薬局やドラッグストアで容易に購入できます。

そう言ったものを正しい知識とともに使用すれば、「自分で自分の手当てをすること」は難しくありません。

そうやって症状の軽いものに健康保険を使わないようにしていくことは、限られた医療費をいたずらに消費しないための方法の一つなのです。

一つ一つは微々たるものでも、数が積み重なればチリツモとなります。

そこで浮いたお金をもっと重症で緊急性の高い、生命の危機に直結するような状態の人のために健康保険を使っていく・・これが国の考えていることです。

考えてみてください。

健康保険証が使えなくなり、全ての医療費が10割負担になった世界を。

おちおち病気にもなれないし、手術も受けられないし、救急車にも乗れませんよね。

必ずそうなるわけではありませんが、今のままならその可能性は高くなります。

今のうちから国民一人一人が「自分の健康は自分で守る」「健康保険は自分だけのものじゃない」と言う意識を持って行動することが大切です。

世界に誇る健康保険制度を自分の子どもたちや孫たちに残していきたいですね。

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